英国と欧州連合(EU)が合意した離脱協定案が成立せずに「無秩序な離脱」になった場合、英経済は2008年の金融危機時より深刻な景気後退に陥るおそれがある――。英国の中央銀行、イングランド銀行(BOE)は28日、EU離脱による英経済への影響についてそんな試算を発表した。
BOEは、「無秩序な離脱」となって、来年3月末の離脱後にEUとの経済関係の激変を緩和する移行措置がない場合、投資や消費が大きく落ち込むと分析。
離脱によってEUが世界の国々と結んでいる貿易協定の恩恵が受けられなくなる最悪のシナリオでは、英国の国内総生産(GDP)は19年1~3月期の水準から1年間で最大8%落ち込み、悪化幅が08年の金融危機時(6・25%)を上回る可能性があるとした。英通貨ポンドが最大25%下落し、輸入品が値上がりするため、インフレ率はピーク時に6・5%まで跳ね上がると予想。住宅価格も最大30%下がるおそれがあるとした。
BOEのカーニー総裁は記者会…