日直や子どもたちによる清掃など、日本の学校教育の特色を採り入れた公立学校がエジプトで開校し、3日から授業が始まった。こうした授業以外の特別活動はエジプトの学校にはなかったが、シーシ大統領が関心を持ったことで導入が決まった。エジプト側は子どもたちの社会性や協調性を養う効果を期待しているという。
学校名は「エジプト・日本学校」(EJS)。今年9月に全国で35校が開校し、日本の幼稚園と小学1年にあたる子どもたちを受け入れた。カイロ近郊ギザ県のEJSでは3日朝、4~6歳の約400人が、保護者に付き添われて初登校した。
小学1年の教室では、先生がさっそく日直の男女2人を指名し、「日直はクラスのリーダー。朝は少し早く来て教室の電気をつける。授業の前には白板をきれいにする。みんな日直の言うことをよく聞いて」と児童に呼びかけた。午前の授業が終わると、先生が掃除のやり方を説明した。
EJSの特徴は、日直、清掃、学級会、朝の自習といった授業以外の特別活動に子どもたちが積極的に取り組むことだ。エジプトではこうした活動を行う学校はこれまでなかった。
だが、シーシ氏が特別活動に関心を示したことで導入の動きが加速。国際協力機構(JICA)の協力で12の公立学校に試験的に導入され、今年からEJSの運営が始まった。エジプト政府は今後、EJSを100校まで増やし、既存の公立学校でも特別活動の導入を進める計画だ。(ギザ=北川学)