日仏で活躍した画家、藤田嗣治(つぐはる、1886~1968)の史上最大規模の回顧展「没後50年 藤田嗣治展」(朝日新聞社など主催)が、19日から京都市左京区の京都国立近代美術館で始まる。日本初公開の作品を含む約120点を出展。18日は内覧会があり、招待客らが繊細な表現の数々に見入った。
「おかっぱの変な人」藤田嗣治 しりあがり寿が見た軌跡
初期から晩年に至るまでの画業を8章にわけて紹介している。藤田の代名詞といえる「乳白色の肌」の裸婦像のほか、戦中の作戦記録画、後年の宗教画など、代表作がそろう。
図録の表紙やポスターにも使われている「カフェ」(49年)は、白い肌にドレスの黒が際立つ名品だ。画家手製の額縁には、コーヒーカップといったカフェにちなんだモチーフがあしらわれている。
会見で柳原正樹館長は「日本はもとより、世界各国から作品を集め、かつてない大型な企画になった。一人でも多くの方に見てもらいたい」と話した。
12月16日まで。一般1500円、大学生1100円、高校生600円、中学生以下無料。月曜休館。京都国立近代美術館(075・761・4111)。(松本紗知)