サッカー・オーストラリア1部リーグ(Aリーグ)のメルボルン・ビクトリーに移籍したワールドカップ(W杯)ロシア大会の日本代表、本田圭佑(32)が20日、開幕戦のメルボルン・シティー戦で同リーグに初登場。初得点も決めた。
本田は、日本代表時代と同じ背番号4で、キャプテンマークを巻いて右中盤のポジションで先発出場した。試合前の選手紹介では、スタジアムからひときわ大きな歓声が上がった。前半28分、右サイドからのパスに合わせ、ゴール前中央で、初ゴールとなるヘディングシュートを決めた。後半はゴール前へのパスで再三、好機を作った。チームは前半40分に追いつかれ、後半25分に逆転されて1―2で敗れた。
本田は試合後、ノーコメント。ビクトリーのケビン・マスカット監督は「圭佑は抜群のプレーをした。試合を支配していた」と評価した。
本田は、ACミラン(イタリア)を経て入団したメキシコ1部パチューカを昨季限りで退団。W杯後の新たなプレーの場として豪州を選んだ。Aリーグはかつて三浦知良や小野伸二がプレーしたことで知られる。地元メディアは今季のAリーグの最も注目される選手として本田を紹介している。
開幕前の18日には、記者会見に英語で応じ、「この2、3カ月これまでにないほど激しいトレーニングをしてきた」と語っていた。
本田の加入を地元サポーターも歓迎している。サム・マルキートさん(49)は「本田は世界の舞台で顕著な活躍をしてきた。イタリアやW杯でもプレーを見てきたが、彼はチャンスメーカーで、すばらしいゴールも決めてきた」と期待する。ケビン・レスターさん(38)は「チームのリーダーになって、豊富な経験を若い選手に示してほしい」と話した。
現地の約2万5千人の在留邦人たちも、本田の活躍に期待を寄せる。長野千尋さん(34)は「オーストラリア人の会社の同僚に聞いても、ネームバリューのある本田選手の移籍に盛り上がっています」。
日本から応援に駆けつけた熱心なファンも。横浜市から来た佐藤里奈さん(42)は「プレーだけでなく、どんな困難な状況でもポジティブな発言をし、実行をしていく生き様に魅力を感じます」と話した。(メルボルン=小暮哲夫)