2020年東京五輪(7月24日開幕、8月9日閉幕)をめぐり、東京都と大会組織委員会が大会期間中の道路の交通渋滞や鉄道の混雑の予想をまとめ、31日、都心の16地区を指定して、企業などに物流や配送時間の調整や時差出勤を求める方針を確認した。
渋滞・混雑予想は、この日、都内であった交通工学や物流の専門家を交えた技術検討会で示した。期間中で最も混雑が激しいとみる7月31日のシミュレーションでは、何も対策を取らないと都内の高速道、一般道、鉄道ともに、朝夕を中心に激しい渋滞や混雑が起こることがわかった。
16地区は、①新宿②渋谷③品川④浜松町・田町⑤新橋・汐留⑥大手町・丸の内・有楽町⑦八重洲・日本橋⑧神田・秋葉原・お茶の水⑨九段下・飯田橋⑩番町・麴町⑪青山・表参道⑫赤坂・六本木⑬霞が関・虎ノ門⑭晴海・有明・台場・豊洲・大井埠頭(ふとう)⑮池袋⑯大崎。
「経済活動を維持した上で、交通需要を下げて分散させる地区」と位置づけ、「物流交通量が多い」(晴海地区)、「業務目的の車が多い」(大手町地区)といった地区別の渋滞要因を示し、各企業に大会中に具体的にどんな対策を取るかの「アクションプラン」の作成に協力してもらう。
期間中の首都圏の幹線道路の通行量について、都と組織委は、「現状の平日より15%減らす」という目標を掲げる。鉄道は約9%の利用増が見込まれるが、混雑率を150%以下にする方針だ。ただ、目標を達成しても、渋滞が激しい区間も残る見通しという。