幼い頃に母と作った懐かしいおはぎの味を、83歳の女性が全国に広げようとしている。地元の長野で売り始めたのは67歳の時。人気が人気を呼び、80歳で首都圏に進出した。
川崎市高津区下作延1丁目のおはぎ専門店「ももすず」。注文すると、その場で店主の百瀬江子(ももせきみこ)さんが作ってくれる。「作りたてが一番だと思うのよ」。ふんわりした口当たりと自然な甘さで、いくつでも食べられそうな優しい味がする。あんこ、ごま、よもぎ、くるみ、紫いもなど15種類で、一つ160~190円だ。
長野県伊那市生まれの百瀬さん。夫とともに地元で和食の料理店を営み、2人の子を育てた。63歳で夫と死別した後、「やっぱり働きたい」と67歳の時に地元でおはぎを売り始めた。
おはぎは、よく母と作った思い出の味だ。「母といろいろな話をしながら作るのは本当に楽しかった」。若い人に日本の食文化を伝えたいという思いもあった。
おはぎは評判を呼び、地元スー…