石井啓一国土交通相は2日の閣議後会見で、日本航空の副操縦士が乗務前の飲酒を巡り英当局に拘束されたことについて、「諸外国の飲酒に関する基準を踏まえて、飲酒に関する基準の強化を図る」と述べた。海外では呼気や血液中に占めるアルコール濃度の基準値を規定しているといい、国内でも同様の規定を設ける方針。日本の法令では操縦士らに乗務前8時間以内の飲酒を禁止しているが、呼気検査での基準値はなく、詳細な基準は航空各社の社内規定に任せている。
石井国交相は会見で「航空機の運航の安全性に影響を及ぼしかねず、国民の信頼を損ないかねないものであり、誠に遺憾だ。航空会社に安全監査などを通じて厳格に指導監督を行う」と述べた。
航空会社の飲酒に関しては10月下旬、全日空子会社のANAウイングスの機長が飲酒で体調不良となり、乗務予定だった5便が遅延している。