北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が、非核化の対象となる核兵器や核物質、関連施設を挙げたリストについて、「米朝間に完全な信頼関係を築かない限り、(米国による)攻撃リストになりかねない」と韓国政府に語っていた。韓国大統領府の鄭義溶(チョンウィヨン)国家安保室長が6日の国会答弁で明らかにした。
米朝関係筋によれば、正恩氏は10月、訪朝したポンペオ米国務長官に対し、朝鮮戦争の終戦宣言を得るために、非核化の対象リストを提出することはあり得ないとの考えを示した。
韓国統一省は6日、北朝鮮が党統一戦線部の金聖恵(キムソンヘ)統一戦略室長ら7人の韓国訪問を要請してきたと明らかにした。14~17日に韓国で開かれる国際シンポジウムに参加する。金聖恵氏は、米朝協議を担当する金英哲(キムヨンチョル)党副委員長の部下。7月に北村滋内閣情報官と接触するなど、日朝秘密接触の窓口も務めている。(ソウル=牧野愛博)