今年9月のベルリン・マラソンで2時間1分39秒の世界記録をマークしたエリウド・キプチョゲ(ケニア)がこのほど来日し、朝日新聞社などのインタビューに応じた。設楽悠太(ホンダ)ら日本のトップランナーとも交流し、練習方法の一部を披露した。 キプチョゲ、世界初2時間1分台でV ベルリンマラソン 9連勝中の無敵王者 キプチョゲはこれまでマラソンを11度走り、2016年リオデジャネイロ五輪を含む10勝、2位1度。しかも現在9連勝中と無敵を誇る。 ここ数年の進化の要因について34歳のキプチョゲは「走ることが好きだということ。マラソンは世界中の人に感動を伝えることができるので好きだ」と語る。今後の記録更新についても「リミットは自分の中で設定しない」と言い切った。連覇のかかる20年東京五輪も「私の『やることリスト』に載せている。みんなが楽しんでくれる美しいレースをしたい」と抱負を話した。 世界記録はナイキの「厚底」シューズを履いて生まれた。キプチョゲは「シューズは速く走るためにすごく役立っている。地面の衝撃を吸収してくれ、そのため疲労回復が早いのが特徴だ」と評価していた。 キプチョゲは師事するパトリック・サングコーチとともに10日、ナイキが駒大玉川キャンパスで開催した「エリートランニングキャンプ」にも参加。今年2月の東京マラソンで2時間6分11秒の日本記録(当時)をマークした設楽悠太(ホンダ)、ベルリン4位の中村匠吾(富士通)ら実業団選手や駒大などの学生ランナーと交流した。 「しっかり準備していれば勝利はついてくる。レースに勝つことが大事ではなく、勝つために準備することが大事です」。キプチョゲは自身の哲学をそう語った。 設楽悠ら日本のトップ選手にとっての関心はキプチョゲがどんな練習をしているのか、だ。サングコーチはその一部を明かした。 目新しいメニューは… その例は、①マラソンの準備には3カ月ほどかけ、その期間には週に200キロほど走る②距離走は平均40キロを準備期間中に6回③スピード練習は1200メートルを13本④練習は距離走、インターバルトレーニング、ファルトレク(起伏に富んだ不整地を走るトレーニング)を1週間に1度ないし2度行い、空いた日は疲労回復にあてる、などだった。 駒大の大八木弘明監督は「日本とだいたい同じ内容ですね」と話した。確かに、練習の強度は別にして、特に目新しいメニューはなかった。 また、サングコーチはキプチョゲとの関係について「18歳から指導しているが、練習内容について『どうして?』と聞かれたことはない。やるべきことを理解していた。常に心も開いている状態で、指導しやすかった」と話した。 「福岡国際マラソンに出場すると聞いている。頑張ってください」とキプチョゲから激励された設楽悠は「改めて準備の大切さ、自信をもってレースに臨む大切さを学んだ。福岡国際では自分を信じてスタートラインに立ちたい」。2時間1分台の世界記録について「最初に聞いた時は手の届かないところまで行ってしまったな、と思ったが、追いかけないといけない存在。少しずつ差を縮めたい」と語った。(堀川貴弘、山口裕起) |
マラソン世界新の「秘密」を伝授 キプチョゲ、来日中に
新闻录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语
相关文章
リレー走れば社内風通しアップ? 元五輪選手直伝の研修
2冠サニブラウンの衝撃 桐生が脱帽した後半の爆発力
サニブラウン2冠「出力増大、レベル違う」 朝原宣治氏
66歳も日本選手権駆け抜けた 保育園長「夢のよう」
逆転、涙の「ワンツー」 2人でかなえた3年越しの夢
共に走って11年 名大生コンビ、日本選手権決勝で力走
サニブラウン、200Mも優勝 100Mに続き2冠
「特別な思いはない」 サニブラウン、2冠は通過点
1000分の2秒差の大接戦 110M障害、高山が制す
立命大など3校が出場権 全日本大学駅伝の地区選考会
サニブラウンが大会新10秒02で優勝 陸上日本選手権
女子100mで御家瀬緑が初優勝 29年ぶり高校生女王
男子400M障害、安部が2度目V 陸上日本選手権
サニブラウンか桐生か王者は 陸上日本選手権きょう開幕
全日本大学駅伝、明大・早大など名乗り 関東地区選考会
「いだてん」の情熱、引き継いだ記者がいた 功績紹介も
最大70人が違反?ロシア陸上界、新たなドーピング疑惑
走り幅跳び選手、所属先は小さな和食店 常連もサポート
9秒台3度でも…サニブラウン、なぜ桐生よりランク下?
「サニブラウン、世界選手権決勝夢でない」朝原宣治さん
サニブラウン・桐生を脅かす? 200Mの小池が好調
「関東なら2軍かな…」 関学ランナー、2連覇への道
サニブラウン「伸びしろ青天井」 名コーチと出会い飛躍
山県「自分も越えていかなければ」 サニブラウンの記録
セメンヤ、判決まで国際大会出場可 スイス裁判所が判断










