「他校の監督のコメント力が上がってきた。俺も頑張らんと」と青学大の原晋監督。全日本大学駅伝の監督記者会見が2日、名古屋市の朝日新聞名古屋本社であり、軽妙な話術で知られる原監督が、意外なライバル監督のトークにお株を奪われた。
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「熱き思いを持って名古屋の地にきた。名古屋と言えば台湾ラーメン。出雲と箱根は4度優勝させてもらったが、ここ(全日本)は1度しか勝てていない。その難関を経て2度目の3冠を達成したい。名付けまして、熱き思いを持ってメラメラしているので『メラメラ大作戦』で頑張っていきたい」
恒例の「大作戦」を語った原監督。これに先立ち、場を盛り上げたのが、東海大・両角速監督だった。
両角監督はレースのポイントに7区を挙げた。理由を聞かれ、「中継所でスターバックスのドライブスルーに入っていかないようにするのが難しい」。確かに、今大会から新しく中継所になった地点には、スターバックスがある。普段は物静かな指揮官の意外な答えに、会場は大爆笑に包まれた。
かと思えば、フリージャーナリスト増田明美さんの「チーム作りで大事にしていることは?」という質問には、「増田さんと同世代ですので、現役時代のストイックな姿を記憶している。苦しい競技ですので、厳しさがなければ強くならない、楽しさがなければ続かない。その両面を大切にしている」と、当意即妙の対応だった。
レースのカギ握る選手として8区にエントリーした相沢晃を挙げた東洋大の酒井俊幸監督は、「1万メートルで今季学生トップのタイムを出している。渡辺康幸さんのような走りを目指してほしい」と、会場にいた、かつて早大のエースとして活躍した渡辺康幸・住友電工監督を意識したコメントもあった。
今季の学生駅伝は青学大、東洋大、東海大が3強と言われているが、大会前の記者会見は東海大が制したように思えた。レース本番はどうなるか。4日午前8時5分、名古屋市の熱田神宮西門をスタートする。(松本行弘)