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米中、ASEAN取り込み合戦 軍事力でインフラで火花

貿易摩擦などで対立を深める米国と中国が、シンガポールで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)との一連の首脳会議でも火花を散らした。双方とも、ASEANを取り込むことで立場を強くしようとしのぎを削るが、中国側にはこれ以上の対立激化を避けたい思惑も見え隠れする。


「我々のインド太平洋構想は、どの国をも排除するものではない。ただ一つ要求されるのが、各国の主権と国際的な法の秩序を尊重するということだ」


ペンス米副大統領は15日午前、ASEAN首脳らとの会合でこうクギを刺した。中国の名指しこそ避けたが、「帝国と侵略はインド太平洋に居場所はない」「我々は『航行の自由』のために団結している」などと、南シナ海で軍事拠点化を進める中国を牽制(けんせい)する内容を随所にちりばめた。


一方、ASEAN諸国を「かけがえのない戦略的友好国」と持ち上げ、「我々の利益は結びつき、我々のビジョンは同じ」と強調。米国が中国に対抗して掲げる「自由で開かれたインド太平洋」構想に引き込もうと秋波を送った。


ペンス氏が今回アジアを歴訪する目的は、「米国のインド太平洋地域における関与は揺るがない」(ペンス氏)というトランプ政権のアジア重視というメッセージを打ち出すためだ。13日には最初の訪問地の日本で、中国の「一帯一路」構想に対抗するため、この地域で各国のインフラ整備のため、600億ドル(約6兆8千億円)の支援を行う考えも表明。中国も巨額のインフラ投資を進めようとしており、同盟国である日本と歩調を合わせ、米国の存在感を高める狙いがある。


さらに米国は、圧倒的な軍事力も組み合わせて関与を強めようとしている。


横須賀を拠点とする米第7艦隊…


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