電力の約4割を風力でまかなう「風力大国」デンマーク。太陽光など再生可能エネルギーを「主役」にするために日本が学べることは。電力システムを運営する国営会社エナギネットのペーター・ヨルゲンセン副社長(64)に聞きました。
――デンマークでは風力発電が盛んですね。
「30年前から本格的に導入し、15年前に海に風車を設置する洋上風力を始めた。昨年は電力の43%を風力発電が担った(火力は41%、太陽光は2%)。2020年までに50%にし、50年には石炭などの化石燃料から脱却するのが目標だ」
――なぜこれほど拡大したのですか。
「国が確固たる意思を持って決めたからだ。当時、私は石炭火力発電所に関わっていた。効率のいい石炭火力があるのに、たくさんの風力を受け入れるという国の決定はクレージーだと思った。出力が変動する風力は、最大でも3~5%程度しか入らないと当時の業界では言われていた。従来の業界の考え方を変えることも必要だった」
――どうして実現できたのですか。
「送電網が盤石だったからだ。大切なのは一国単位ではなく、欧州全体を一つの地域と捉えて(気象状況で出力が変動する再生エネの)電力の過不足分を補完しあうことだ。また開放的で自由な電力市場があり、(石炭などの燃料費がかからないため)安い再生エネが優先的に取引された」
――九州で今秋、再生エネの受…