和装の振興を狙って業界が定める「きものの日」の15日、繊維業にゆかりのある大手商社の丸紅が、着物姿の受付係が来客をもてなす演出をした。
丸紅の発祥は麻布(あさぬの)を扱う近江商人で、同業の伊藤忠商事と同じルーツ。今は丸紅の子会社の京都丸紅が着物事業を受け継ぐ。丸紅社員の有志が2年前から集まって着物の振興策を考え、京都丸紅とも協力して今回の企画を行った。
受付カウンターは普段と違う華やかな雰囲気。訪れた男性客は「あ、着物だ」と驚いた表情を見せた。「そういえばうちの発祥は着物だった」と感慨深げな丸紅の女性社員もいた。
京都丸紅が都内に開いている和服店はいま、訪日外国人でにぎわっているという。梅島義之社長(52)は「特別なものになった着物を、少しでも身近なものにしたい」と話していた。(鳴澤大)