ロシアの介入への対処の遅れが問題になっている米フェイスブック(FB)のザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)兼会長が15日、電話会見した。米紙の報道内容の一部については「真実ではない」と反論し自らの退任も否定したが、他社を攻撃していた疑惑も浮上。厳しい状況に置かれている。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)は14日、FBが2016年の米大統領選でロシアの介入を招いた際、16年春には社内で覚知していたのに、17年9月までロシアの関与を外部に明かさなかった、とする調査報道の記事を載せた。
FBは14日時点では具体的に反論していなかったが、15日になって「記事にはたくさんの不正確な部分がある」との声明を公表。会見の冒頭でザッカーバーグ氏は「私たちが真実を知ることに興味を持っていなかったとか、知っていることを隠そうとしていた、といったことを(記事で)示唆することは、真実ではない」と語った。
ただ、16年の大統領選の際のロシアの介入に対するFBの対応について「今から振り返れば、別のやり方ができたと思うことがたくさんある」と率直に認める場面もあった。
記者からは「あなたはFBを率いるのに適格な人物なのか」といった厳しい質問が相次いだが、同氏は「私はこの問題を正す決意だ」と述べ、自らの辞任は否定した。企業統治を改善するため会長職は明け渡すべきでないかとの質問に対しても「それが正しい方向だとは思わない」と取り合わなかった。
NYTの報道で、FBにとってさらに痛手なのは、契約していたワシントンの政治調査会社「ディファイナーズ・パブリック・アフェアーズ」との関係についてだ。
FBは、この会社の関連メディ…