米紙ワシントン・ポストは15日、米検察当局が内部告発サイト「ウィキリークス」代表のジュリアン・アサンジュ氏を訴追していたと伝えた。秘密にされていたが、検察当局が誤って明らかにしてしまった。
同紙によると、バージニア州東部地区の連邦検事補が今年8月、アサンジュ氏とは無関係のテロ関連の事件の訴追記録で、アサンジュ氏に言及。検事補はこのテロ関連事件を公にしないように裁判所に求め、「アサンジュが訴追されている事実がある」「アサンジュが逮捕されるまでは(事件は)秘密にされる必要がある」などと記載していた。
訴追内容は不明という。ウィキリークスは、2010年に米外交公電など大量の機密文書を暴露。米国内では、米陸軍元情報アナリストがウィキリークスに機密情報を流出させたとして有罪判決を受けている。
また、2016年の大統領選では、民主党全国委員会(DNC)などがハッキング被害に遭い、数万通のメールがウィキリークスで暴露された。ハッキングにはロシアの情報当局が関与したとして、マラー特別検察官が今年7月、ロシア人当局者を起訴している。今回の訴追との関連は不明だが、マラー氏はトランプ氏陣営側とウィキリークスとの関係も捜査しているとされる。
アサンジュ氏はスウェーデンでの性的暴行容疑に絡み、逮捕状が出ており、2012年にロンドンのエクアドル大使館に逃亡して「籠城(ろうじょう)」を続けている。(ワシントン=杉山正)