阪急百貨店うめだ本店(大阪市)は12月5日から、オタフクソース(広島市)とつくった新しい「お好み焼き」を売り出す。同店は今秋、日清食品やハウス食品ともオリジナル商品を発売。百貨店に「商品が似たり寄ったり」との批判もあるなかで、他メーカーとのコラボで差別化を進めている。
【特集】デパート業界
新しいお好み焼きは「ハンバーガー感覚」の軽食で、野菜を混ぜ込んだ生地と焼いたうどんや中華そばでオタフクの「お好みソース」を挟んだ。直径は約7~8センチ、厚さは約3センチと片手でも食べられる。1個税込み220~270円で、ホウレンソウなどを使った種類もある。
知名度のある食品メーカーとつくる独自商品は、今回で11品目。2012年の江崎グリコの高級版ポッキー「バトンドール」と、亀田製菓のハッピーターンの高級版である「ハッピーターンズ」が最初で、今も長い行列ができている。その後も「阪急百貨店でしか買えない」をコンセプトに、1年に1品以上のペースで品数を増やしてきた。
メーカー任せでなく、1年~1年半をかけ一緒に開発。10品のうち期間限定や人気が出なかったものを除き、7品は今も販売中。開発担当の馬場淳士さんは「誰もが知るメーカーと組むことで話題を作り、その話題の品を買ってもらい、広めてもらう循環を狙ってきた」と話す。大阪のお土産として定着したものも出ているという。
今年は、お菓子やデザート以外の新分野の開拓にも挑戦。10月には日清食品と組んで、好みのスープと具材を組み合わせたカップ入り即席麺を売る店を、今月14日にはハウス食品の定番カレーが入ったカレーパンを売る店を相次いでオープンさせた。消費者との直接的な接点を持っていなかったメーカー側も「新たな挑戦ができる機会」(オタフクソースの担当者)で、自社商品を見直し、新商品を開発する好機になっているという。(久保田侑暉)