米ホワイトハウスのボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は27日の記者会見で、アルゼンチンで30日から開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合の場で、トランプ大統領と安倍晋三首相、インドのモディ首相による日米印首脳会談が行われることを明らかにした。アジア太平洋で存在感を高める中国にインドと連携して対抗し、日米が掲げるアジア政策「自由で開かれたインド太平洋」構想を推進する狙いがある。
ボルトン氏は会見で「トランプ氏は日本の首相と会う。この2者会談はそのあとに、インドのモディ首相も参加する3者会談に移行する」と語った。
「自由で開かれたインド太平洋」構想は、トランプ大統領が昨年11月、ベトナム・ダナンでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、環太平洋経済連携協定(TPP)に代わる政策として打ち出した。
ペンス米副大統領も今月のアジア歴訪で、同構想の一環として、アジア太平洋地域のインフラ整備のため、600億ドル(約6兆8千億円)の支援をする考えを表明。日本も100億ドル(約1兆1300億円)の支援を行う考えを示すなど、同地域でシルクロード経済圏構想(一帯一路)を進める中国に対抗する姿勢を強めている。また、民主主義の価値観を共有する3カ国によって経済や防衛面での連携を強める狙いもある。
ボルトン氏は会見で、トランプ大統領が中国の習近平(シーチンピン)国家主席との夕食会談をもつほか、トルコのエルドアン大統領、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と首脳会談を行うことも明らかにした。ボルトン氏はロシアのプーチン大統領とも会談するとしたが、トランプ氏は、米紙のインタビューで、ロシアがウクライナ艦船を拿捕(だほ)した問題を踏まえ、プーチン氏との会談に否定的な考えを示した。(ワシントン=土佐茂生、園田耕司)