IT大手アリババ集団の創業者、馬雲(ジャック・マー)氏が中国共産党員だったと党機関紙、人民日報が報じ、中国の内外で驚きが広がっている。党とは距離を置いていると見られていたためだ。マー氏は以前、政府との関係について「恋愛をしてもいいが、結婚してはいけない」と語っており、党員かが注目されていた。今回明らかにされたことについて海外メディアは「党への信頼を高めるための宣伝活動の一環だ」などと報じている。
人民日報が26日、「改革開放に貢献した表彰者」のリストを掲載し、その中にマー氏の名前が含まれていた。「アリババはネット通販、フィンテックとクラウドコンピューティング分野の国際競争で中国をトップクラスの地位にした」と紹介された。
英語教師だったマー氏は1999年にアリババを創業。EC通販サイト「天猫」を運営するほか、決済サービス「アリペイ」など手広く事業を手がける。時価総額は4千億ドル(約45兆円)超。今年9月に、来秋にアリババ会長職を退くと発表した。(北京=新宅あゆみ)