昨年5月に山梨県丹波山村の山中で遭難した男性(当時49)が山梨県警ヘリの救助活動中に死亡した事故で、国の運輸安全委員会は29日、ヘリの回転翼で発生する下降気流「ダウンウォッシュ」の影響で落石が起き、遭難者に当たった可能性が高いとする報告書を公表した。
事故が起きたのは昨年5月14日午後1時50分ごろ。男性は、急斜面にある幅約3メートルの枯れ沢の中腹で左足首の痛みを訴えて動けなかったが、意識はあった。ヘリでつり上げて救助しようとしたところ、山側から沢に沿って木の枝や石が落下。腹に約30センチの石が当たり、男性が死亡した。救助していた3人も軽いけがをした。
安全委は、救助者の一人がヘルメットにつけていたビデオの映像などから事故原因を分析。それによると、無風状態の中、ヘリが山の斜面に向かい低速で進んだ際に強い気流が沢に沿って山側に向かっていったん吹いた。その後、現場のほぼ真上に来たあたりで風向きが谷側に逆転し、落石が発生して事故が起きたという。
事故前に別の方向から進入した…