外国人労働者の受け入れ拡大に併せて、政府が計画している受け入れ・共生策の概要が13日、関係者への取材で明らかになった。日本語教育の水準向上のために日本語学校の管理強化を図るほか、外国人が住宅を確保するための仕組みを整えたり、行政サービスの多言語化を進めたりする。政府は年内に正式に取りまとめる予定だ。
共生策は、新在留資格「特定技能」で新たに来日する人だけでなく、急増している留学生や技能実習生を含め、全ての外国人が安心して暮らすための環境をつくるのが狙い。その中で一つの焦点になるのが、日本語学校の存在だ。
日本語教育の充実は共生策の大きな柱だが、現在の日本語学校は開校時に年間授業数などの基準がチェックされるだけで、運営状況を管理する所管庁が実質的にない。この結果、教育水準がバラバラなうえ、就労目的の留学生の受け入れ機関として悪用され、留学生が行方不明になるケースも少なくないとされる。
水準を向上させるため、共生策では全ての日本語学校に、在籍する留学生の日本語能力試験の合格実績など、達成度がわかる指標の公表を義務づける。実績が乏しければ、新設される出入国在留管理庁が調査に入る。
外国人の住宅確保をめぐっては、連帯保証人がいないために賃貸契約を断られるケースが多いことを踏まえ、国に登録した民間会社が保証人の代わりとなる「住宅セーフティネット制度」の利用を促す。このほか、全国約100カ所に設置する予定の生活相談窓口や運転免許の学科試験、ハローワークなどで多言語に対応できるようにする。(浦野直樹)