政府は14日、2020年度までの3年間に講じる総事業費約7兆円規模の「国土強靱(きょうじん)化」の緊急対策を決定した。国費約3・6兆円を投じ、羽田空港、関西空港などの浸水対策や約120河川の堤防強化などを進める。相次ぐ災害を受けた対応だが景気対策の側面もあり、過剰な公共事業を生む可能性もはらんでいる。
空港では、浸水の可能性があるとして羽田、関西、仙台、新潟、長崎、那覇の6空港で護岸のかさ上げや排水機能を強化。液状化が懸念される羽田、仙台、新潟の3空港では耐震対策を実施する。ほかにも、6空港で無線施設の電源設備の浸水対策をとり、8空港で管制のための非常用発電設備を設置する。
河川の堤防強化では、豪雨で浸水被害が広範囲に発生した岡山県倉敷市真備町の小田川などが対象になる。北海道地震で起きた大規模停電(ブラックアウト)を踏まえて、災害拠点病院など125施設に自家発電設備の増設費用の一部を支援する。道路約2千カ所の拡幅やのり面対策、ため池約1千カ所の改修なども盛り込んだ。
対策は、今年相次いだ自然災害を受けて、政府が河川や空港、道路など全国の重要インフラを132項目にわたり緊急点検した結果を踏まえて決定した。
一方で、時宜にかなった「防災…