今年の成人式を前に突然店を閉じた着物店「はれのひ」(横浜市)の決算を粉飾するなどし、銀行から融資金をだまし取ったとして詐欺罪に問われた元社長、篠崎洋一郎被告(56)の判決公判が19日、横浜地裁であった。渡辺英敬裁判長は、「経営者として守るべき一線を大きく踏み越えた」として、懲役2年6カ月(求刑懲役5年)を言い渡した。
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判決によると、篠崎被告は2015年9月期決算で債務超過を隠すなどして、16年9月に横浜銀行から3500万円、東日本銀行から約3千万円をだまし取った。
渡辺裁判長は「被害額は多額で、大半は返済されていない。被告は無資力で、被害回復の見込みはない」などと指摘。「独善的で、甘い見通しに基づいた経営判断から財務状況の逼迫(ひっぱく)を招いた。身勝手で強い非難に値する」とした。
これまでの公判では、篠崎被告…