ムニューシン米財務長官は18日、来年3月1日までと期限を切った米中通商協議について、両国高官らが会って本格的に交渉を始めるのは1月になるとの見通しを示した。米ブルームバーグ通信の取材に答えた。
すでに電話での協議は進めており、3月1日までに合意文書を交わすことを目指しているとムニューシン氏は説明した。交渉では、米側が主張してきた中国のサイバー攻撃などによる知的財産侵害が争点。米中双方が「合意は強制力を持ち、検証可能で、実施時期も定めたものにする」との認識で一致したという。
1日の米中首脳会談を踏まえ、中国は米国からの輸入車への関税上乗せを来年1月から3カ月停止すると発表。米農務省は12月中旬、中国による米国産大豆の大口契約が再開したと発表しており、貿易不均衡の是正を巡っては歩み寄りの兆候がある。
一方、知的財産を巡っては中国が不正に技術・軍事覇権を奪おうとしているとの米側の警戒感は根深い。今年半ばまでは対中融和派のムニューシン氏が協議を率いていたが、新たな協議は強硬派のライトハイザー通商代表が責任者を務めており、交渉の行方は予断を許さない。(ワシントン=青山直篤)