高速増殖原型炉「もんじゅ」の後継となる高速炉計画について、政府の原子力関係閣僚会議は21日、実用化目標を今世紀後半に先送りする工程表を正式決定した。炉型などの具体像がなく、実現性が乏しいにもかかわらず、核燃料サイクル政策を維持しようという推進側の論理が押し通された。
原子力村は「伏魔殿」 政産官学労の隅々まで巣くった
「核燃料サイクルを推進するとともに高速炉の研究開発に取り組む。国内すべての関係者がそれぞれの役割をもって果たしていく」
菅義偉官房長官はこの日午前、首相官邸で開かれた関係閣僚会議で強調した。河野太郎外相から「国際社会に説明する立場からは、プルトニウムの削減が必要」との発言もあったが、10分ほどで終了した。
政府は2016年、総括がないまま、もんじゅの廃炉と次世代炉の開発方針を決めた。当面10年程度の工程表をつくることになり、経済産業省を中心に、もんじゅを運営していた日本原子力研究開発機構と文部科学省、電気事業連合会、三菱重工業の官民の原子力関係者だけでつくる高速炉開発会議がとりまとめた。
元内閣府原子力委員長代理の鈴…