東京電力福島第一原発の事故で帰還困難区域となっている福島県双葉町の初発(しょはつ)神社で24日、しめ縄の奉納があった。町の中心部にあり、かつては初詣や新春行事のダルマ市などでにぎわった場所。町の立ち入り許可を受けた氏子ら11人が、拝殿と鳥居に真新しい薄緑色のしめ縄を取りつけ、新年を迎える準備をした。
震災で傾いた柱は今もそのまま。町民も避難して散り散りになったが、氏子らは神社の再建を願い2015年からしめ縄の奉納を続け、この日も県内各地から集まった。
福島県いわき市で避難生活を続ける氏子の木幡智清さん(77)は「ここにくると昔の祭りの風景を思い出します。何十年先になっても、またにぎわいが戻ってほしい」と話した。来年には神社の修復工事を始められそうだという。(杉村和将)