熊本地震で被災した熊本城大天守(6階建て)の石垣が復旧し、熊本市は27日、報道陣に公開した。敵の侵入を防ぐため、上に行くほど角度が急になる「武者返し」と呼ばれる美しい曲線が復活した。
2016年4月の地震では、大天守で791個の石が崩れた。できる限り元の石で積み直したが、割れるなどして使えなくなった約120個については、石工が新たに作り直した。年明けからは、隣の小天守の石垣で約2400個の石を積み直す作業を進める。
市はラグビーワールドカップの試合が熊本で開かれるのに合わせ、19年10月5日から、大天守近くまで立ち寄れるようにして限定的に公開する。20年春ごろから復旧完了までは、18億円かけて整備する専用通路で見学できるようになる。
熊本城総合事務所の野本達雄副所長は「間近に見ていただけるのを、楽しみにしている。(復旧完了まで)まだ長いので、温かく見守ってもらえたら」と話した。(大畑滋生)