家畜伝染病「豚(とん)コレラ」が岐阜県で確認され、感染が広がっている。国内では26年ぶりで、農林水産省は事態を重く見て、吉川貴盛農水相を本部長とする「豚コレラ防疫対策本部」を設置。25日には自衛隊が災害派遣され、8千頭以上の豚を殺処分する事態になった。感染拡大は止められるか。消費者への影響は。
豚コレラ、殺処分7500頭超 自衛隊に災害派遣要請へ
豚コレラは豚やイノシシの伝染病で、感染力と致死率が高い。最初に感染が確認されたのは、岐阜市の養豚場。9月3日に豚が死んだのをきっかけに精密検査し判明。546頭を殺処分した。
その後、周辺地域で死んだり、捕獲されたりした野生イノシシから豚コレラウイルスが検出され、11~12月には五つの岐阜県内の飼育施設で感染が相次いだ。防疫対策を主導するはずの岐阜県畜産研究所でも感染を確認。「県の畜産行政の要」の施設で、編み目の細かいワイヤ柵を張り巡らし、消毒の徹底や豚舎ごとに担当者を決めるなど防護対策を徹底していたはずだった。
岐阜県関市の養豚場は規模が大…