政治家による性差別の発言が相次いだ2018年。大学教授や弁護士ら8人が呼びかける「公的発言におけるジェンダー差別を許さない会」が、ジェンダーの観点から見過ごせない問題発言についてネット上で投票を募り、ワースト発言を決めるキャンペーンを29日から始めた。投票は来年1月6日までで、9日に結果を公表する。
ノミネートされたのは、財務次官のセクハラ問題にからみ、麻生太郎財務相の「(加害者側の)人権はなしってわけですか」「財務省担当はみんな男にすればいい」など一連の発言や、杉田水脈衆院議員によるLGBTのカップルについての「生産性がない」との主張、加藤寛治衆院議員の「必ず3人以上の子どもを産み育てていただきたい」など12の発言。ホームページには、ジェンダーの観点からなぜその発言に問題があるのかという選出理由や関連する記事などが掲載されている。
政治にかかわる人たちの問題のある発言への批判を「見える化」し、こうした発言が相次ぐ現状を変えたいという狙いで、昨年から年末年始に実施してきた。昨年は1457人が投票し、ワースト1位は、山東昭子参院議員の「子どもを4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰することを検討してはどうか」との発言だった。呼びかけ人の一人の村尾祐美子・東洋大准教授(労働社会学)は「年末にジェンダー平等を願いつつ、1年を振り返ってもらう機会になれば。多くの人に関心を持ってほしい」と話す。
投票は、フェイスブックページ(
https://www.facebook.com/NOASEPS/
)またはホームページ(
https://yurusanai-seisabetsuhatsugen.jimdo.com/
)から。(岡林佐和)