外国人労働者「共に生きる」って?
埼玉県上里町の斎藤俊男さん(50)は、日系2世としてブラジルで生まれた。1990年に出稼ぎで来日し、自動車部品の工場などで働いて得た資金を使って、今度は日系ブラジル人を派遣する会社を立ち上げた。
雇用される側、する側の双方を経験して思うのは、「外国人の労働力を使って利益を得ているのは企業。だから、外国人が日本の暮らしに溶け込めるよう、企業が責任を果たすべきだ」ということだ。
斎藤さんの来日当時、派遣会社で働く日系ブラジル人は独身が多かった。そこで斎藤さんは、ポルトガル語で世話をする保育室を社内に設け、子連れでも働けるようにした。外国人が部屋をなかなか借りられない状況を踏まえ、社宅も作った。
08年のリーマン・ショックで派遣会社の受注は激減したが、今度は荒れた農地に目をつけ、長ネギの栽培を開始。現在では「葱(ねぎ)王」のブランドで、都内の百貨店などに1日約7トンを出荷する。売り上げの一部は、日系ブラジル人の子の奨学金にあてている。
「数年でブラジルに帰る予定」だったが、結果的には日本国籍も取得した。今後も、短い滞在のつもりで来ながら日本で家庭をもち、永住する外国人がきっと出てくる。「日本の将来に貢献出来るような人材に育てるべきだ」と語る。(平山亜理)
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