2019年、阪神が矢野燿大新監督(50)の指揮で再スタートを切る。2軍監督だった昨季は選手の自主性を引き出し、日本一に。昨季17年ぶりの最下位に終わった1軍の立て直しを託された。浮き沈みがあった自身の野球人生からたどり着いた「ファンを喜ばせる」という決意の裏側に迫った。
「金本前監督に背中押された」 矢野監督が就任秘話語る
藤浪、年俸「がっつりダウン」 矢野新体制で「楽しむ」
――就任が決定してからどうだったか
本当、忙しかったね。体というよりは頭っていうかね。「何やったらいいんやろ」って、そういう感じで時間が過ぎていった。
2003年の感動を再び
――(正捕手として優勝に大きく貢献した)03年のチームを理想に挙げた
打って、点を取る野球をやっぱりファンは好きなんだろうなっていうのが俺の中にもあって。去年の西武みたいに。03年の阪神は日替わりヒーローみたいな感じだった。いろんなヤツが出てくるのが理想かな。
――口癖のように「ファンを喜ばせる」と話すが、その考え方の原体験は
俺がトレードで阪神に来た時はお客さんはあまり入っていなかった。そういうのを経験している。それと一番は03年に優勝パレードをやったときに、めっちゃ感動したこと。ファンの人があれだけ集まって、涙を流して喜んでくれる人もいた。「これが優勝か」と。そこから、日本一になってパレードやりたいというのを俺のモチベーションにしていたのよ。俺らが頑張ることで喜んでもらえるという最高の仕事やと思っている。
――甲子園では厳しいやじもある
難しい部分でもあると思うよ、当事者になれば。でも、結局そこをどうとらえるかは自分自身やから。
俺も1998年にトレードで来た時、悔しい思いをしたのよ。(交換相手の)久慈と関川が(中日で)すごい頑張ってて、俺と大豊さんが(阪神で)全然ダメで。やじられて心が折れそうになるわけよ。でもそれが「くそぉー」となるわけよ。見返してやりたい、とかさ。だから逆のパワーに変えられるんじゃないかなと思うけどね。
――昨年は2軍を日本一に導いた。若手が育っている実感はあるか
チームとして後退していると俺…