第98回全国高校ラグビー大会は7日、大阪・東大阪市花園ラグビー場で決勝がある。前回準優勝で初制覇を目指す大阪桐蔭(大阪第1)と、春の全国選抜大会2連覇中で、決勝引き分けで両校優勝となった第90回大会以来2度目の優勝を狙う桐蔭学園(神奈川)の「桐蔭」対決になった。
早実HCとテレビマン、二足のわらじ 「花園は難しい」
中日の根尾昂、選手寮入り 愛読書まさかの「野球規則」
大阪桐蔭は、運動量豊富な大型FWを中心にディフェンスに力を入れてきた。準決勝はバックス陣がトライを挙げた前半とは一転し、後半はFWで2トライと、攻撃は多彩だ。
3試合連続逆転勝ちの桐蔭学園は、パスワークが優れる。6本中5トライをパスでつないで奪った準決勝のように、主将のSH小西泰聖(3年)を中心にボールを動かしてスペースに走り込めるか。
前回大会準決勝では大阪桐蔭が12―7、昨春の選抜大会決勝は桐蔭学園が46―26で勝った。実力は拮抗(きっこう)しており、終盤まで目が離せない試合になりそうだ。(大坂尚子)
「大阪背負っとんねん」
大阪桐蔭は時折小雨がちらつく中、約1時間半、大阪府東大阪市内で練習した。FW陣はモールやスクラム、バックス陣はパスを中心に体を動かした。合間には選手たちから冗談も多く飛び交い、「前回決勝前と比べてリラックスしている」と綾部正史監督。
最後の円陣ではムードメーカーで控えメンバーの兼久浩太朗(3年)が「俺ら大阪背負っとんねん。しんどいこともあったけど、(決勝は)最高の日にしよう」と盛り上げた。主将のCTB松山千大(3年)は「ディフェンスがポイントになる。一人一人が体を張って、日本一になりたい」。
「エアラグビー」で意思疎通
桐蔭学園は時折笑顔も見られる和やかなムードの中、神戸市内で約2時間しっかり体を動かした。
練習の終盤にはボールを持たない「エアラグビー」を行い、選手たちが実戦さながらにピッチを走り回った。藤原秀之監督は狙いについて、「選手間のコミュニケーションを高めるための練習。ここから筋力やスキルを上げることはできないので」と説明。決勝に向けては「うちはチャレンジャーの気持ちで戦う」と話した。主将のSH小西泰聖(3年)は「ずっと単独優勝を目標にやってきた。集大成を見せたい」と力強く誓った。