津波で大きな被害を受けた宮城県石巻市で、住民全員の要望を聞いてまちづくりを完成させた高台移転地がある。みんなでアイデアを出し、どこの区画に住むかも話し合いで決めた。新しいまちで暮らし始めて2年ほどになる。
北上川を見下ろす高台にある「にっこり地区」(石巻市北上町)。運動公園「にっこりサンパーク」がある山を切り崩した造成地に、災害公営住宅や自立再建の戸建て住宅約70戸が並ぶ。1月上旬、集会所の花壇では、住民たちがパンジーなど花の手入れをしながら、おしゃべりをしていた。
震災前、北上町には約3900人、約1100世帯が住んでいたが、津波で約260人が犠牲になった。
住民は震災の約1年後から、市…