防衛省は陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備候補地である秋田、山口両県で、陸上自衛隊の対空レーダー装置を使った電波の影響調査を3月末までに行う方針を固めた。イージス・アショアの電波が健康や日常生活に影響を及ぼすとの懸念が指摘されているため、実際に同様の電波を発生させて調べる。
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イージス・アショアは、米国製の最新鋭レーダーで捉えたミサイルを大気圏外で迎え撃つ仕組み。防衛省は早ければ2023年度の運用開始を目指し、陸上自衛隊の新屋演習場(秋田市)とむつみ演習場(山口県萩市)で配備を検討している。地元ではレーダーが発する電波をめぐり、健康や医療機器、防災無線、テレビ放送などに影響が出るとの懸念が出ている。
これを受け、防衛省も昨年10月から、電波が健康や通信設備に与える影響についてコンピューターによる試算を行っている。だが、秋田市の穂積志(もとむ)市長は昨年12月、原田憲治・防衛副大臣に対し、「実際にレーダーを使って実測値を出してほしい」と要望していた。
防衛省関係者によると、今回の…