南米大陸最高峰アコンカグア(標高6961メートル)の登頂とスキー滑降に挑むプロスキーヤー三浦雄一郎さん(86)の遠征で、三浦さんの事務所「ミウラ・ドルフィンズ」は16日、予定ルートを変更すると発表した。当初登るルートとしていた氷河の状態が不安定で登山に適さないと判断。一般的な尾根伝いのルートに入って山頂をめざす。
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アコンカグアと装備の詳細に迫る
当初は山頂付近に残るポーランド氷河を登る予定だった。だがルートを視察した遠征隊メンバーや現地ガイドが、氷河のところどころが非常に硬くなっていることなどを確認し、代わりのルートを検討した。予定通り進めば、登頂は現地時間の22日になる。
変更後の計画では、三浦さんは、滞在している標高4200メートルのベースキャンプから18日にヘリコプターで発ち、標高5580メートル付近で降り立つ。その後、尾根伝いの一般的なルートに向けて歩き、先に歩いて登る次男の豪太さんら遠征隊メンバーと合流。標高5870メートル付近にテントを張って宿泊する。19日から、高度を徐々に上げながら3泊して移動し、22日の登頂をめざす。
氷河の状態を考慮し、スキー滑降は頂上付近ではなく、下山途中の別の斜面で24日に試みる。その後、標高5500メートル付近からヘリでふもとまで下山する。
登山活動の中心となる登攀(とうはん)リーダーの倉岡裕之さん(57)は「年齢を考慮し、まずは登頂するために検討した結果だ」と説明。三浦さんは「体力に合わせて決めていただいており、登頂への期待が高まってきた」と話している。(金子元希)