北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の最側近、金英哲(キムヨンチョル)党副委員長が17日、北京を経由してワシントンに向かう可能性がある。中国の航空会社の関係者が明らかにした。米国の高官と会談し、2回目となる米朝首脳会談に道筋をつけることを目指すとみられる。
亡命の元北朝鮮公使、正恩氏あいさつ分析「再会談困難」
英哲氏の訪米は昨年6月の初の米朝首脳会談の直前、正恩氏の親書を携えてホワイトハウスでトランプ大統領と会って以来。
この関係者によると、北京空港を17日夕に出発する直行便の予約名簿に英哲氏の名前があるという。ただ、前回の訪米の際、英哲氏は出発まで予約をたびたび変更しており、実際に訪米するかは現時点では流動的との見方もある。
前回の訪米で英哲氏は、ニューヨークでポンペオ国務長官と会談。ワシントンでトランプ氏と会い、正恩氏の意向を伝えた。今回もポンペオ氏やトランプ氏との会談を目指すとみられる。再会談について正恩氏は新年のあいさつで、「いつでも(トランプ)大統領と会う準備ができている」と言及している。
中国の外交筋によると、北朝鮮の対米外交を担当する崔善姫(チェソンヒ)外務次官が15日、北京空港に到着し、報道陣に対し、スウェーデンで開かれる国際会議に参加すると語った。会議には米国関係者が参加するとの情報もあり、ワシントンとスウェーデンで再会談の開催準備が進む可能性もある。
韓国の康京和外相は16日の記者会見で、「米朝の接触が続いており、2回目の首脳会談への期待が高まっている」と語った。(ソウル=武田肇)