森友学園(大阪市)への国有地売却問題で、野党の国会議員が17日午前、通常国会を前に大阪府内で現地調査を実施した。野党側は土地の大幅値引きの根拠とされた地中ごみの写真に疑問があると追及を強めている。この日は写真を撮った施工業者や籠池泰典・学園前理事長らから、経緯などについて聞き取りをした。
森友への値引き根拠揺らぐ ごみ深さ、3.8mない疑い
元職員らが語った取引の異様さ 森友問題追う記者の目
調査に訪れたのは立憲民主や共産の衆参議員ら約10人。吹田市の施工業者の事務所で社長から1時間ほど聞き取りした。共産の宮本岳志衆院議員は終了後、「社長は、弁護士と相談して、関連するデータを出してもいいと言っていた」と話した。その後、小学校の建設を進めていた国有地に移り、今も積み上げられている土砂などについて社長から説明を受けた。社長は報道陣の取材に応じ、「うちが出した資料を見てもらえば、確実に深いところに、ごみはある」と話した。
国有地をめぐっては、学園が2015年5月に賃貸契約を結ぶ前から深さ約3メートルまで汚染土やコンクリートがらがあることが分かっていた。15年7~12月に国費で除去工事をしたが、学園側は16年3月、「新たなごみ」が見つかったと近畿財務局に連絡した。
野党側が問題視しているのは、学園側が財務局に出した「新たなごみ」についての報告書の写真。鑑定価格9億5600万円から約8億2千万円を値引きし、1億3400万円で売却する大きな根拠だった。
野党側は写真が不鮮明で、説明書きにも不自然な点があるとして「値引きの根拠にならない」と批判。野党側は昨秋、参院予算委員会の理事懇談会を通じて、写真のデジタルデータを入手。「写真を使い回している疑いがある」などと追及している。