イスラエルのネタニヤフ首相がシリアにあるイランの武器庫を攻撃し、シリアで過去数百回、空爆したと公式に認めた異例の発表が波紋を呼んでいる。軍高官は2018年だけで約2千発の爆弾を投下したと米メディアに明かした。軍事的な緊張が高まる恐れもある。
ネタニヤフ氏は13日、「ダマスカス国際空港のイランの武器庫を過去36時間以内に空爆した。必要なら攻撃を強化する」と語った。
発言は退任前のアイゼンコット参謀総長に謝意を述べる中で出た。参謀総長は直前に米ニューヨーク・タイムズ紙に「(シリアで)数千カ所の標的を攻撃した」と明かした。以前はイランの支援を受けるシーア派組織ヒズボラに渡る武器を主な標的としたが、イランがシリアで軍事的影響力を拡大させたことを強く懸念。17年に政府方針を変更して攻撃を強化し、シリア領内の「イランの無人機施設」などに対象を広げた。
イスラエルはこれまでシリア内のイラン関連施設への空爆は、公式にはほぼ認めていなかった。アサド政権と反体制派の対立の行方が見通せず、シリア内戦に介入しない立場を強調していた上、相手国の世論を刺激し、報復攻撃や国際社会の批判を抑える意味があったとされる。
「安全保障より政治優先」
だが、シリアでは9月、イスラ…