東京ガスの内田高史社長は29日、朝日新聞のインタビューに応じ、九州電力、出光興産と共同で検討している石炭火力の「千葉袖ケ浦火力発電所」(千葉県袖ケ浦市、1、2号機計200万キロワット)の建設計画について、「発電所をつくるコストが相当上昇している。経済的に厳しい」と述べた。他の2社と協議し、今年度内に建設の可否を判断する。建設は困難な情勢とみられ、断念を決めた場合は液化天然ガス(LNG)火力への代替を検討する。
石炭火力は地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出が多く、省エネや環境対応が必要となっている。内田氏は「当初の見込みよりも設備投資がかかり、想定していた発電単価が出てこない可能性がある。キロワット時あたり1~2円とか上積みされただけで、競争力が非常に減衰する。経済性が本当にあるかを最終的に詰めている」と語った。
千葉袖ケ浦火力発電所は2020年代中ごろの運転開始を予定していた。(桜井林太郎)