2017年秋、ミズノ(大阪市)から同社初となる国産の卓球ラバー「Q3(キュースリー)」が発売された。自動車用ゴム製品大手の住友理工(名古屋市)との共同開発。専門メーカーがひしめく卓球用品市場に、業種を越えたコラボレーションで挑んでいる。
新ラバーで全国制覇
「カーン、カーン」。横浜市神奈川区、物流サービスを手がけるサンリツの京浜事業所。卓球部の練習場で鋭い打球を連発する平侑里香選手(23)は、Q3を発売前の17年春から使いはじめた。
それまでもミズノのラバーを試したことがあったが、思うような打球にならず、2面あるラケットの片面はほかの卓球専門メーカー製のラバーを使ってきた。だが「Q3はいままでのミズノのラバーとは違った。ボールがひっかけやすく、変なミスがなくなった」。試打をしてすぐに採用した。
その後、18年9月にのぞんだ全日本社会人選手権で、平選手は女子シングルスを初制覇。「自分でもびっくりした。ラバーを変えてから相手選手が(自分の打った球を)取りにくそうにしていた」と話す。ミズノにとっても、自社のラバーを使った選手が全国タイトルを獲得したのは初めてだった。
■ラバーは卓球用品の「…