千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅で死亡した事件で、市と市教育委員会が31日に会見し、心愛さんが父親の栗原勇一郎容疑者(41)=傷害容疑で逮捕=からの「いじめ」を訴えたアンケートのコピーを、市教委が栗原容疑者に渡していたことを明らかにした。市教委は「恫喝(どうかつ)」されたと説明した。一方、厚生労働省は、市教委の行為が違法だった可能性を指摘している。
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市と市教委によると、心愛さんは2017年11月6日、当時通っていた野田市立山崎小のアンケートで父親からのいじめを訴えた。これを機に、心愛さんは千葉県柏児童相談所に12月27日まで一時保護された。
翌年1月12日、栗原容疑者と妻(31)、学校、市教委指導課が今後の対応を話し合った際、栗原容疑者は「訴訟を起こすぞ」「(一時保護解除は)暴力がないあかしだ」などと学校の対応を批判。アンケートを見せてコピーを渡すよう強く求めた。学校側は「たたかれた」と内容の一部を伝えたが、市教委は個人情報であり「本人の同意がない」といったん拒否した。
しかし、15日に栗原容疑者と妻が子どもの字で書かれた同意書を持って現れ、心愛さんに確認せず、同課の矢部雅彦課長の判断でコピーを渡したという。この頃、学校は保護者への情報開示などを約束する念書も書かされ、栗原容疑者に渡していた。
心愛さんは18日に市内の別の学校に転校。2回あったアンケートでいじめを訴えることはなかった。
矢部課長は「(12日の面会で担当者が)大きな声で恫喝され、威圧的な態度に恐怖を感じ、強い要求に屈してしまった。その後、どのような影響が出るか、心にひっかかりながらも渡してしまった」と話した。
その後、関係機関が集う2月2…