警察が事件性が低いと判断した変死体について、医師が死因を調べる監察医制度。大阪府と府警は4月から、府監察医事務所(大阪市中央区)に警察官を常駐させる方針を固めた。医師と連携することで、過去の不審死事件などで問題視された「見逃し」を防ぐねらいだ。
監察医制度はそもそも、「公衆衛生の向上」のため、感染性の病気でないかどうかなどを調べるのがねらいだった。大阪の場合、約40人の非常勤の監察医がおり、大阪市内を対象エリアとしている。このほか東京23区と神戸市でも実施されている。
大阪市で変死体が発見された場合、まず警察が事件性の有無を検討。その可能性が低いと判断すれば、監察医が死因を調べる。これまでにも府監察医事務所では、遺体発見時の状況といった情報を府職員が府警とやり取りしてきた。
4月以降は、府警が検視調査課の警察官を、所属はそのままで監察医事務所に常駐させる。遺体を調べたり解剖したりするのは監察医だが、警察官とも協議して遺体の状況と照合。事件性の有無をここで再び「クロスチェック」をすることで、自然死に見せかけたような遺体の見逃しゼロを目指している。
このために事務所の端末を府警本部や各署とオンラインで結び、常駐する警察官が捜査情報にアクセスできるように整備する。
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