中国国有企業で食糧大手の中糧集団は2日、100万トンの米国産大豆を新たに購入したと発表した。1月31日まで米ワシントンで開かれた米中の閣僚級通商協議で、中国は大豆の購入を増やすと米国側に提案。中国側は提案をすぐ実施したことを印象づけ、譲歩を促す意図があるとみられる。
米国から大豆途絶え、中国の豚が死んだ 貿易紛争の果て
中糧はこの日の声明で、2018年12月にアルゼンチンであった米中首脳会談の共通認識に基づいて購入した米国産大豆が、すでに数百万トンにのぼっていることを明らかにした。
一方、台湾中央通信によると、鴻海精密工業(台湾)の郭台銘(テリー・ゴウ)会長が2日にあった自社のイベントで、米国のトランプ大統領から「米中貿易戦争は近く合意に達する。プロセスは順調だ」と伝えられたことを明らかにした。
中国で手広くIT機器の受託生産をしている鴻海は米中通商紛争が経営上の重しとなっているが、郭氏は「今年は去年より業績を伸ばせる」と述べた。(台北=福田直之)