大手百貨店4社が1日、1月の売上高を発表し、訪日外国人客による免税品の売上高が軒並み前年同月を下回った。中国景気の冷え込みや為替の動向のほか、中国国内で転売する目的の大量購入が減ったことも要因とみられる。
【特集】デパート業界
高島屋(17店舗)は免税売上高が前年同月比15・1%減となった。災害のあった昨年9月を除くと、前年同月比でマイナスとなったのは2016年8月以来、約2年半ぶりで「中国の景気の減退が影響している」(広報)とみる。
三越伊勢丹ホールディングス(HD)も22店舗の免税売上高が6・6%減、東京都内の基幹3店では10・3%減になった。減少はほぼ2年ぶりで「為替が円高元安になった影響も大きい」(広報)。そごう・西武は約1割減、大丸松坂屋のJフロントリテイリングは1%減だった。
中国でネット通販規制の法律が1月に施行され、日本で大量購入したものを中国国内で転売しづらくなった、との見方もある。三越伊勢丹HDやそごう・西武の広報は「化粧品を大量購入する訪日客が減ったことも、免税売り上げを押し下げた要因」と話す。(高橋末菜)