毎月決まった額でモノやサービスを使える定額制(サブスクリプション)のサービスが広がっている。自動車やファッション、音楽……。モノを所有することにこだわらない消費者の心をつかめるとあって、様々な業種が参入している。
「クラウンは月9万円から」「プリウスは月4万6100円から」――。トヨタ自動車は5日、毎月の料金を払えば、好きな車を借りられる新サービス「KINTO(キント)」の詳細を発表した。
カローラスポーツ、アルファード、ヴェルファイアを加えた5車種が対象。1台に3年間乗り続けると、別の車に乗り換えできる。料金は保険や税金、メンテナンス費を含む。3月から東京で試行し、夏以降、全国に広げる。月18万円を払えば最高級ブランド・レクサスの6車種に半年ごとに乗り換えられるサービスも6日に始める。
トヨタがこのサービスを打ち出すのは、車の所有にこだわらない人が増え、新車を売るだけではビジネスモデルの限界があるとみるからだ。運営会社社長に就いたトヨタの小寺信也氏は5日、KINTOの利用見込みは分からないとした上で、「車と気軽に付き合える。車ファンを増やし、需要を掘り起こしたい」と話した。
日産自動車も1月から、定額サービス「クリックモビ」を東海3県と静岡県で試行している。3車種に乗れ、7年契約時の料金は最も安い小型車のマーチで税込み月2万3868円から。中古車販売店ガリバーを運営するIDOM(イドム)は、2016年に中古車乗り換えサービス「NOREL(ノレル)」を開始。昨年10月からは独BMWやMINIの新車にも対応し、月7万9800円~20万円で乗れる。広報担当者は「地方に転勤し、車が短期間必要になった人などに使われている」と話す。
「飽きられる恐れも」
国内で定額制サービスが目立ち始めたのは2015年ごろだ。同年に有料動画配信の米ネットフリックスが日本に上陸。手ごろな料金で注目され、スマートフォンの普及も市場の拡大を後押しした。
同年に始まった洋服レンタルの…