超低金利の中、比較的高利回りの資産運用として銀行窓口で販売される「外貨建て保険」。銀行員のすすめで老後の蓄えを託す高齢者は多いが、為替変動で想定外の元本割れに見舞われ、「リスクについて十分に説明されなかった」との苦情が相次いでいる。高齢者らの声からは、販売時にメリットばかりが強調され、リスクの説明が不十分な実態が浮かび上がる。(柴田秀並)
外貨建て保険、契約時「親族同席を」 高齢者の苦情増え
為替リスクに、不透明な利回り… 外貨建て保険の問題点
「高利回りの良い商品がありますよ」。都内の70代女性は約2年前、大手信託銀行の女性行員から外貨建て保険を勧誘された。夫の死去で数千万円の保険金が振り込まれた後だった。
自宅を訪ねてきた行員は、生命保険会社のパンフレットを見せ一時払い(一括払い)の豪ドル建て外貨保険を薦めた。「預金よりも高利回り」「満期まで生存給付金が定期的に振り込まれる」と言われ、死亡保険金に預金の一部も加えて加入した。
行員は保険会社のパンフだけで…