減反廃止2年目の今年、コメ作りの現場では「増産」か「減産」かで激しい綱引きが繰り広げられている。「農家が自らの経営判断で作物を作れるようにする」との政権方針を踏まえて増産を視野に入れる産地に対し、値崩れを警戒する与党や農林水産省は減産を促す仕組みを新たに設ける。本格化する作付け計画づくりをどうするか、頭を悩ませる産地も多い。
主食用のコメの都道府県ごとの生産目安が1月17日までに出そろい、コメどころの秋田や北海道など14道府県が前年の作付け実績を下回る水準に設定した。作付けを増やした産地には減産のプレッシャーがかかる。そんな逆風は、昨年から強まっていた。
「これは失敗と言わざるを得ない」
東京・永田町の自民党本部で昨年11月末に開かれた会合は、緊迫していた。
主食用のコメ需要が年1%以上落ち込み続ける中、昨年の全国的な作付けは前年より1・2%増。実際の収穫量は天候不順で微増にとどまったが、今後も作付けが増えれば、コメ余りで価格が大きく下がりかねないという議員の不満が渦巻いた。
主食用コメは、転作補助金の引き上げなどで2015年に減反目標を達成。その後は毎年、米価が上がってきた。その結果、飼料用や備蓄用のコメを作っていた水田を主食向けに振り向ける動きが出始めた。
減反に協力するともらえた水田10アール当たり7500円の補助金が廃止されたこともあり、昨年は20道県で作付面積が増えた。中でも上位5県、秋田、新潟、岩手、青森、福島だけで増加分の7割を占めた。
最多の秋田県で、市町村別の増加量が最も多かったのが横手市だ。地元の「JA秋田ふるさと」が卸会社と組み、スーパーや外食産業など大口需要先への売り込みに以前から取り組んできたことで知られる。昨年の作付け増について小田嶋契組合長は「これまでの努力が評価された結果」と話す。
「『ぜひ買いたい』と言われて…