大阪市生野区で昨年2月、てんかん発作で意識を失い、重機を暴走させて児童ら5人を死傷させたとして自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死傷)罪などに問われた鉄筋工の佐野拓哉被告(36)の初公判が7日、大阪地裁(渡部市郎裁判長)で始まった。被告は「てんかんの発作で意識を失っていたことはありませんでした」と述べ、検察側の主張を否定した。
被告は「被害者の方には本当に申し訳ないことをしたと思っています」と謝罪。弁護側も事故はてんかんの影響はなく、同罪は成立しないと主張した。
起訴状によると、佐野被告は昨年2月1日夕、てんかん発作の恐れがあるのに生野区の路上で重機を運転。発作で意識を失い、下校中だった大阪府立生野聴覚支援学校小学部5年の井出安優香(あゆか)さん(当時11)を重機ではねて死亡させ、同級生と教諭計4人に重傷を負わせたとされる。
争点はてんかん発作が事故の原因だったかどうかだ。検察側は冒頭陳述で、被告は薬でもてんかんを抑制できずに10秒ほど意識を失う発作を起こすことがあったと説明。医師から運転を禁止されていたのに重機を運転し、発作の影響で事故を起こしたと主張した。
一方、弁護側は冒頭陳述で、工期に余裕がなく現場の上司に重機に乗るよう求められたと主張。信号待ちの際に次の操作がしやすいようブレーキとアクセルを同時に踏んでいたがブレーキから足が離れてしまい、パニック状態で事故を起こしてしまったと訴えた。
佐野被告は2015年11月の…