製造番号を削り取った美容室専売メーカーのシャンプーなどをインターネットオークションで転売したとして、警視庁は6日、東京都渋谷区道玄坂2丁目の美容室「Riku」の男性店長(45)ら美容師3人を医薬品医療機器法違反(不正表示化粧品の販売)の疑いで書類送検し、発表した。店長らは容疑を認め、「物販に興味があり売りたいと思った」と供述しているという。
生活環境課によると、送検容疑は2017年6月~18年11月、美容室向けヘアケア製品メーカー「ミルボン」のシャンプーやトリートメント計5点の製造番号を削り取り、成分が記載された外箱を外した状態でオークションサイト「ヤフオク」に出品し、大阪府の40代の男性ら4人に計約2万円で販売したというもの。3人は「メーカーの監視が厳しいので、ばれないように番号を削った」などと述べているという。同課は、同じ期間に同様の方法で計約580万円売り上げたとみている。
同法は、ヘアケア製品には製造番号や成分などの表示するように定めているが、店長らは「訳あり箱なし」「削り傷あり」などとして出品していたという。ミルボンが昨年7月、自社製品が不正にネット転売されていると警視庁に相談した。同課によると、不正表示化粧品を販売した容疑での立件は、全国初という。
ミルボンの広報担当者によると、同社の製品はすべて美容室向けで、店頭販売以外に小売りはできない契約。オークションや通販サイトに多数出回っているものは「基本的にすべて非正規の流通」としている。だがネットの方が数がさばけるために横流しする業者が後を絶たないとみられるといい、「対策を取っているが、追いつかない。業界全体が頭を抱えている」と話す。