児童虐待の防止に向けて、厚生労働省は児童相談所(児相)が子どもを保護する「介入」の機能を強化する方針を固めた。現在は子どもと家庭をともに支える「支援」と同じ部署が担っていることが多いが、子どもの死亡を防げなかった事件が相次いでいることを受けて機能を分化し、介入を最重視する。3月中にも、関連法の改正案を通常国会に提出する。 介入から支援まで継続して対応することが大切との意見もあり、機能分化には慎重論もある。ただ、昨年に東京都目黒区で起きた船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5)の死亡事件などで児相の不手際が指摘され、厚労省の有識者会議で議論を重ねてきた。今年に入ってからは千葉県野田市で栗原心愛(みあ)さん(10)が亡くなる事件も発生し、厚労省は「子どもの命と安全を守る社会的使命に応えるためには、介入と支援を担当する部署などを分ける必要がある」と判断した。 厚労省はすべての児相に弁護士、医師、保健師を配置することも検討している。根本匠厚労相は8日の会見で、「児相が子どもの保護センターとしての役割を果たせるよう、体制の抜本的強化などを行う」と述べた。 虐待が疑われた場合、児相は危… |
児相の家庭への「介入」強化へ 親支援の部署と機能分離
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