航空自衛隊築城基地(福岡県)所属のF2B戦闘機が20日午前9時20分ごろ、同基地から北東約130キロ付近の山口県沖に墜落した。現場海域で空自機が乗っていた2人を救助。命に別条はないという。
空自によると、墜落したのは同基地を離陸して30分後。計3機で対戦闘機訓練を始めてまもなくとみられる。飛行前の点検や直前の交信で異常は確認されておらず、突発的なトラブルが起きた可能性があるという。2人は座席を機体から切り離して脱出。前席の男性2等空尉(20代)が左腕などに軽傷を負い、後席の男性1等空尉(30代)は足や腰に痛みを訴えているが、意識ははっきりしているという。
空自戦闘機の墜落事故は2011年にF15戦闘機が沖縄県沖で墜落して以来で、運用中のF2戦闘機の墜落は初めて。機体は見つかっていないが、洋上を浮遊するタンクのようなものや油膜は確認できているという。航空幕僚監部の事故調査委員会が原因を調べる。当面、F2戦闘機の訓練を停止する。
F2戦闘機は米国のF16戦闘機をベースに日米共同で開発され、2000年に配備が始まり、事故機は07年に納入された。1人乗りのF2A、2人乗りのF2Bがある。主に築城、三沢(青森県)、松島(宮城県)の3基地に配備されている。
昨年11月に築城基地所属のF2A同士が長崎県沖の訓練空域で接触する事故を、2007年10月には定期点検後のF2Bが愛知県営名古屋空港で、飛行試験をしようとして離陸に失敗し炎上する事故を起こした。(古城博隆)